税理士補助は普通の事務ではない?一般事務との違い

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税理士補助は普通の事務ではない?一般事務との違い

今日は、税理士補助という事務職と、企業に属する一般事務の違いをお伝えしたいと思います。

※便宜上この記事では、経理事務なども含めた「企業に属する事務全般」を総称して「一般事務」と記載します。

私が税理士事務所にいたとき同僚からよく聞いたのが、「ここの仕事は普通の事務と全然違う」ということ。

私は前職が営業だったのであまりよく分かっていませんでしたが、どうやら普通の事務じゃないらしいのです。

あまりの違いに耐えられず、辞めていった人も何人もいました……

そこで、私が思う税理士補助の「普通の事務」じゃない点を書いておきたいと思います

一般事務の経験があるからとか、事務職だからといった理由で税理士補助に応募しようとしている方は、一歩立ち止まってこの記事を読んでみてください。

そのうえで、本当に応募するか決めていただければ、事前にミスマッチを防げるのではないかと思います。

今回の記事まとめ
  • 税理士補助は、事務だけど営業・サービス業
  • 税理士補助は、お客様ごとに異なるやり方を覚えなければならない
  • 税理士補助は、担当先に対する責任をしっかり持つ必要がある
この記事を書いた人
きくたがわ

きくたがわ

大学卒業→税理士事務所勤務(5年)→残業しない事務員(現在)。
税理士事務所勤めの間に身につけた仕事・お金の知識や、残業しないための事務仕事の知恵を発信中。

目次

事務全般がイメージされがちなこと

そもそも、事務というと「楽そう」「外に出なくて良い」「人と話さなくて良い」というイメージをお持ちの方はいませんか?

特に事務の人と関わることが少ない人や、事務経験がない人は特にそう思いがちだと思います。

まずこのイメージは税理士補助も一般事務も関係なく、ほぼ間違っています。

そのうえで、税理士補助が普通の事務とは違うと言われる要因を次から挙げていきますね。

税理士補助が「普通の事務じゃない」と言われる理由

税理士補助は「事務だけど営業」「事務だけどサービス業」

税理士補助は、事務員でありながら営業職やサービス業の要素を併せ持っているんです。

例えば、財務資料の回収や会計ソフトの入力指導のため、お客様のところへ定期的に出向く必要があります。

自動車免許や自家用車を持っていることが、採用の必須条件になっている事務所もあるくらいです。

そこで税務の質問や依頼があればお答えし、すぐにわからないことであれば戻ってから調べて改めて回答しなければなりません。

またお客様に依頼されたことが税法上やってはいけないことであれば、きちんと説明したうえで納得してもらう必要があります。

つまり、お客様に情報提供するサービス精神と、理解してもらうための説明力が必要なのです。

「そういうときは税理士が説明してくれないの?」と思う方もいるかもしれません。

これも事務所規模によりますが、私がいた事務所では、基本的なことで税理士が出ていくことはありませんでした。

難しい案件や、お客様との交渉が必要なときだけ税理士が出ていきます。

日常的な質問や依頼に対しては、税理士補助が窓口になって対応しなければなりません。

税理士補助は、事務でありながらその事務所の「顔」、つまり営業部隊なのです。

確かに「事務所の中でずっと作業できる」と思っていると辛いかも……

担当するお客様ごとに状況が違う

一企業の事務であれば、自社のことを完璧に理解できていれば仕事はできますよね。

税理士補助は、お客様である各会社のそれぞれの状況をできる限り把握しなければなりません

お客様が変わると、会計ソフトで使う科目も変わります。計上するタイミングも変わります。

給与計算では、お客様ごとに締日と支給日が違います。給与計算の方法も、所定労働日数も雇用形態も違います。

これらをすべて覚えて、1ヶ月の中ですべてのお客様にうまく対応するスキルが必要になるのです。

そんなわけで、一般事務から税理士補助になると、覚えることがめちゃくちゃ多いように感じてしまうそう。

元いた会社のやり方が当たり前だと思っていて、他のやり方を受け入れられないケースも本当によくあるんです。

会計ソフトや給与ソフトを使っていた経験があるからと転職したものの、こういうところで挫折しちゃう人もいます。

税理士補助は責任が重い

税理士補助の仕事は、普通の事務よりも責任が重いと感じる人も多いようです。

一般事務は、誰かのサポートがメイン業務である以上、誰かの指示を受けて仕事をすることが多いと思います。

対して税理士補助は、担当顧客を持つと、そのお客様のことは自分で管理しなければならないのです。

自分でまずこれまでの資料を調べたり、わからないことがあったら前任者に聞いて確認します。

お客様がなかなか会計資料を持ってきてくれなかったら、自分で連絡してお願いしなければなりません。

つまり、税理士補助は自分で能動的に動ける人でなければならないのです。

先ほどの営業的な要素もある点も合わせて、こういった点を「責任が重い」と感じることがあるようです。

「指示されたとおり仕事する」のも大事だけど、税理士補助は「指示がなくても自分で動く」ほうが大事なんですね。

税理士補助→一般事務は続けやすいが、一般事務→税理士補助は厳しい

私の経験上ですが、税理士補助から一会社の一般事務になった人はその職場に長くいるのですが、一般事務から税理士補助になった人は長く続いていない印象があります。

もちろん個人差や事務所による差があると思いますので悪しからず。

税理士補助から転職して一般事務になった人は、税理士事務所が欲しい資料や情報がわかっています。

場合によっては、その期の納税額など偉い人が知りたがる情報を提供することもできます。

よって税理士との連携が取りやすく、上司や偉い人からの評価も高くなりやすいことが、長く続けられる要因になっているのでしょう。

逆に一般事務から税理士補助になると、先ほど紹介したような内容によりついていけなくなってしまう人が多いように思います。

  • お客さんからの質問にどうしても答えられない
  • 前は確認してくれる上司がいたのに……
  • 私は指示されたことしかできないんだと気づいた

これらはすべて、実際に私の周りで一般事務から税理士補助になった人が、税理士補助を辞める際に言っていたことです。

一般事務から税理士補助になりたい方は、そんな状況に自分がなってしまわないかを1度考えてみてはいかがでしょうか?

まとめ

いかがでしたか?

少しでも、税理士補助になりたいと思ってこの記事を読んでいる方の参考になれば幸いです。

今回の記事まとめ
  • 税理士補助は、事務だけど営業・サービス業
  • 税理士補助は、お客様ごとに異なるやり方を覚えなければならない
  • 税理士補助は、担当先に対する責任をしっかり持つ必要がある

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