申告を税理士にお願いしたいけど、探し方がわからない
検索しても情報がある人とない人がいて、誰を選んだらいいかわからない
事業主として初めて税理士を探す人は、何から始めればいいかわかりませんよね。
私が税理士事務所に勤めていたときも、「初めて税理士さんにお願いしたい」という新規ご相談のお客様をたくさん見てきました。
どんなルートから問い合わせが来たかによって、税理士事務所の対応も変わります。
そこで今回は、ネットで検索する以外の税理士の探し方を紹介します。
- 断られにくい税理士の探し方
- 税理士探しのルート別メリットデメリット
- ネットで探すしかないときの注意点
税理士は「見つけて契約したら終わり」ではありません。契約後のことも考慮して探す必要があります。
自分の希望にあった先生に出会えるよう、できるだけ多くの手段で多くの税理士を探しましょう!
きくたがわ
大学卒業→税理士事務所勤務(5年)→残業しない事務員(現在)。
税理士事務所勤めの間に身につけた仕事・お金の知識や、残業しないための事務仕事の知恵を発信中。
税理士探しは紹介が断られにくい
税理士を探したい場合、紹介を受けるのが最も断られにくい手段です。
すでにある縁からの依頼だと、紹介してくれた人との関係性も考慮しなければならないので、税理士側としては断りにくいもの。
そのため、紹介が多い事務所ほど「紹介が多いから直接の依頼を断るしかない」という状況になりやすいのです。
ネットで検索して見つけた税理士に依頼するよりも、まずは紹介してもらえる税理士がいないか探してみると良いでしょう。
紹介してくれる人によって異なるメリットデメリットもありますので、詳しく解説していきます。
顧問先からの紹介
身近に税理士と顧問契約を結んでいる知り合いがいれば、その人に紹介を依頼するのが事業主としては安心できる方法かと思います。
事前にどんな税理士かを事業主目線で教えてもらえますし、紹介してくれる場合は「事業主としては任せていて心配がない税理士」だという証明になりますね。
- 紹介してくれる知り合いが同業者なら業界の知識もあるので安心できる
- 顧問料をふっかけられずに済む
税理士事務所側としても、紹介してくれた側と紹介を受けた側が同じ業種であれば新しいことを勉強せずに済むので時間コストが抑えられます。
また顧問料も、紹介してくれた側のお客様と同規模・同内容・同作業量であれば同じ金額にせざるを得ません。
忙しい時期に来た紹介なしのお客様だと、職員の残業代ありきで高めの報酬設定にしてしまうことも……
- 紹介してくれる知り合いが税理士側にとって良いお客さんではない場合、断られてしまうかも
- もし税理士と相性が悪かった場合、紹介を受けた手前変えにくい
例えば「税務アドバイスを聞き入れない」「資料の提供が遅い」「期日を守ってくれない」など問題のあるお客様から「新しいお客様を紹介したい」と言われても、税理士はできれば受けたくありません。
失礼な話ですが、もし紹介してくれる知り合いが税理士にとってそういうお客さんだったら……という可能性も頭の片隅に置きながら、紹介を依頼しましょう。
また紹介してもらった税理士との相性が悪かったら、紹介してくれた人の顔をつぶさないようにしなければいけないのも面倒ですよね。
金融機関からの紹介
銀行などから融資を受けている事業者なら、金融機関から税理士を紹介してもらう手もあります。
きれいな決算書を作ってくれる税理士は、金融機関からの信用も厚く良い税理士である可能性が高いです。
- 対金融機関の知識がある税理士である可能性が高い
- お金の専門家から見てもしっかりした税理士である
金融機関が紹介してくれる税理士は、「金融機関から見てちゃんとした税理士」です。
事業主仲間から見て良い税理士でも、話しやすいだけで決算書は意外と適当……なんてこともよくある話。
今後も事業拡大を目指していて融資の増額を考えている事業主なら、金融機関の担当者に税理士を紹介してもらえないか相談してみましょう。
税理士側としても、金融機関からの紹介だと「融資を受けられるくらいにはしっかりした事業をしている」と思うので、紹介なしの人よりも安心できます。
- 融資を受けていないなど金融機関とのお付き合いがなければ使えない手段である
- 個人事業主にはハードルが高い
金融機関とのお付き合いがない小規模な事業主であれば、この手段をそもそも使えないのがデメリットです。
しかし「融資を受けるくらいの規模でなければ税理士に依頼してはいけない」わけではないので、誤解しないでくださいね。
社会保険労務士・司法書士など他士業からの紹介
すでに依頼している社会保険労務士や司法書士がいれば、提携税理士を紹介してもらえる可能性もあります。
社労士は顧問契約しているけど税理士は顧問契約していない……というケースはなかなか珍しいですが、ないわけではありません。
社労士や司法書士は税理士から仕事を紹介されることが多くありますので、逆に社労士や司法書士から税理士に仕事を紹介することもあるのです。
- 専門家同士で連携したサービスを受けられる可能性がある
士業の先生方は、それぞれ「どの資格を持った人ならどの業務まで受けられる」という独占業務が決まっています。
他の専門家からの紹介だと、その先生と連携してお客様にできるだけ負担をかけないサービス提供ができることもあるんです。
親切な事務所であれば、資料のやり取りや状況説明を社労士・司法書士の先生に直接事務所同士でしてくれるところもあります。
税理士事務所としても、税理士の専門外のことをきちんと専門家がやってくれている事業主は安心して受け入れやすいものです。
助成金の申請方法などを聞かれても私たちは答えられないこともありますが、提携している社労士がいれば「○○先生に聞いてみてください」と言えますからね。
- 従業員がいないなど、顧問契約している士業がいないと使えない手段である
- 個人事業主にはハードルが高い
税理士紹介サービス会社からの紹介
税理士と契約している知り合いなどのつてが何もない人は、税理士紹介サービス会社を利用することで紹介を受けられます。
- 誰でも無料で利用でき、顧問料の交渉なども頼める
- 比較検討しやすく、断るときも自分で連絡しなくて良い
税理士紹介サービスは、他のつてからの紹介と違って今後の人間関係を心配する必要がありません。
ネットで検索しても出てこない税理士を見つけられることもありますので、いちばん税理士の比較をしやすい方法とも言えます。
税理士事務所側としても「お客様を増やしたいけど、紹介なしのお客様は怖い」からこのようなサービスに登録しています。
- 登録している税理士からしか選べない
税理士紹介サービスを使うと、検索しても出てこない税理士を見つけられますが、逆を言えば登録している税理士の中からしか選べません。
複数のサービスに登録することである程度の取りこぼしは防げますが、すでにお願いしたい税理士に目途を立てている場合は使いにくい手段と言えるでしょう。
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どうしても紹介なしで税理士を探したい場合の注意点
どうしても紹介してくれる人が見つからないという場合は、ネットで検索して出てきた税理士や、街中で看板を見かける税理士に直接話に行くことになるでしょう。
信頼できる人の意見を聞けないまま行くことになりますので、心配なこともたくさんあると思います。
ここからは、紹介なしで直接税理士に顧問契約を依頼しに行く場合の注意点をご紹介します。
飛び込みで税理士事務所に行くのはやめよう
まず、アポを取らずに突然事務所へ行くのは絶対NGです!
飛び込みで来たお客様には、税理士も税理士補助もまず良い顔をしません。
その後万が一顧問契約することになっても、事務所内では「あの飛び込みで来たお客さんね」としばらくは良くない意味で話題になります。
必ず事前に電話し、(直近の確定申告書など)用意するよう言われた資料をきちんと揃えてから行きましょう。
ホームページがある事務所をすぐ信用しない
検索して綺麗なホームページが出てくる税理士事務所を信用したくなると思いますが、実は要注意事項です。
税理士がたくさんいて選び放題な都心部であればホームページがあるのは当たり前かもしれませんが、地方では税理士が不足していて顧客のほうが余っている状況もあります。
そんな地方で綺麗なホームページを用意している税理士事務所は、問い合わせの門戸を広げていていわば「とにかくお客様が欲しい」と必死な事務所かもしれません。
上記でも言った通り、信頼できる縁からの紹介が多い事務所は、紹介以外の問い合わせ窓口をクローズにするものです。
ホームページからの問い合わせは事業主目線ではハードルが低くて助かりますが、希望するサービスを受けられる事務所かどうかを注意して見極める必要があります。
「ネットに情報が少ない=悪い税理士、情報が多い=良い税理士」とは限らないので本当に要注意!!
時期を間違えると門前払いの可能性あり
税理士業は繁忙期と閑散期の差がものすごく激しい業種です。
初めて連絡する時期を見誤ると、間に入ってくれる人がいないため門前払いされたり、下手すると二度と連絡できなくなったりする可能性もあります。
- 年末調整の時期(11月~12月)
- 確定申告の時期(1月~3月15日)
- 3月決算の時期(5月)
総じて、11月から翌年の5月までは新規依頼の連絡を避けたほうが良いです。
この時期の多くの税理士は、既存のお客様とのやり取りだけで手一杯のため、新しいお客様に時間を割いている余裕がありません。
決算などの都合でどうしてもこの時期に連絡したい人は、スキマの4月を狙うのが良いでしょう。
最初の電話で「そちらが忙しくない時期からお願いしたい」と言ってくださった新規相談のお客様がいましたが、とてもありがたかったです。
まとめ
税理士事務所は世の中にたくさんありますので、情報も多種多様すぎて一人ではなかなか選べないと思います。
まずは身近な人の意見を聞いて、紹介してもらえる税理士がいないかを探してみましょう。
税理士事務所・事業主双方にとって紹介がもっとも安心材料の多い手段なので、断られにくくなりますし事前の不安を最小限にできますよ。
- 税理士は紹介してもらうのがもっとも断られにくい
- 紹介してもらう相手によってメリットデメリットがある
- 紹介が難しければ、断られにくくする努力を最大限に
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