資格試験の中でも人気の高い日商簿記。特に2級は転職でも有利になることも多いので、社会人で取得を目指す人も多くいますよね。
しかし、受験を決意したもののその合格率の低さと不安定さに恐れおののいていませんか?
そこで今回は、社会人になってから日商簿記2級に独学で合格した筆者が、実際に使っていたテキストや問題集をご紹介します。
テキスト選びに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
きくたがわ
大学卒業→税理士事務所勤務(5年)→残業しない事務員(現在)。
税理士事務所勤めの間に身につけた仕事・お金の知識や、残業しないための事務仕事の知恵を発信中。
日商簿記2級 テキスト編
日商簿記2級の特徴といえば、まずは「商業簿記」「工業簿記」の2つに分かれること。
ほとんどの出版社が、商業工業それぞれでテキストを出しています。
どう転んでも2冊買うことにはなりますので、納得の行くテキストを選びましょう。
基本的には商業工業同じシリーズで揃えるのがおすすめですが、商業簿記のテキストだけ見て買ってしまうのはおすすめしません。
工業簿記の方は慣れるまでとっつきにくいところがあるので、必ず工業簿記のテキストも見て、わかりやすそうなものを選びましょう。
スッキリわかる 日商簿記2級
- 図表やイラストが豊富で、読みやすくわかりやすい
- コンパクトにまとまっていて持ち運びに便利なので、どこでも勉強できる
- まずはサクサク読んで全体像を理解したい人向き
- わかりやすさ重視のため解説が少ない論点もある
- 問題も載っているが、実践的な問題集としての機能は不足している
簿記のテキストといえばまずこれ。本屋さんでも必ず目立つところにあるシリーズですね。
その実績に違わず、始めに読むならまず失敗のないテキストです。
簿記のわかりにくい概念的な部分も、イラストで可愛らしくわかりやすく解説されています。
本のサイズも小さめなのでバッグにも入りやすく、カフェや図書館など家以外の場所で勉強したい人にはありがたい仕様。
サクサク読めるので、まずざっくり一周読んで全体を把握してしまいたい人向きといえます。
ただし、解説の少ない論点もあり、過去問演習をしながら参照するには物足りないと感じる部分もありました。
また「テキスト&問題集」「これ1冊でOK」を謳っていますが、問題集の方は基本的な問題を一問一答形式で載せているだけなので十分とは言えません。
当たり前といえば当たり前ですが、別途問題集も購入することをおすすめします。
みんなが欲しかった! 簿記の教科書 日商2級
- 文章でも図解でもしっかり解説されていて、しっかり理解できる
- つまずきやすいポイントは「モヤモヤ解消」ポイントとして丁寧に紹介
- 検索性が高く、わからないところをピンポイントで探しやすい
- 「スッキリわかる」と比べると字が多い印象がある
- 手書き風フォント文字が多用されている
こちらも人気の「みんなが欲しかった」シリーズです。
正直、私は最初に手に取ったときは文字の多さに圧倒され、本棚に戻してしまいました……。
ですが勉強を始めたあと改めて見てみたら、丁寧に解説されていると感じて結局買ってしまったのです。
このテキストの良いところは、過去問を解いていて「解説を読んでもわからない……」なんてことがあってもたいていのことは解決できること。
文章でも図解でも丁寧に解説されていて、わかりにくい論点も文章か図解どちらかでは理解できたというのも大きかったと思います。
巻末に付録で重要仕訳集があるので、これだけ持ち歩いてスキマ時間に勉強することもできますね。
最終的には「初めからこれ1冊で良かったかもしれない」と思った、お気に入りのテキストです。
気になるポイントとしては、体感で本全体の半分くらいに「手書き風フォント」が使われていること。
私はまったく気にならなかったのですが、この手書き風フォントのせいで読みにくいと感じる人もいるようです。
日商簿記2級 問題集編
日商簿記に独学で合格するためには、問題演習が命です。最重要事項です。
よって問題集は過去問題集(収録回数の多いもの)を選びましょう。
過去問ではない問題集は、実践的な演習ができないので個人的には必要ないと思っています。
「苦手な論点の対策のため」というケースもありますが、苦手な論点のために得意な論点も入っている問題集を別途買うのは、正直もったいないなぁと……。
過去問題集には「どの論点が第○回試験に出た」という情報も載ってますので、過去問集だけでも苦手論点の対策は十分できると思いますよ。
合格するための本試験問題集 日商簿記 2級
- 圧倒的な収録回数の多さ(過去も8回+予想問題4回+模試プログラム10回)
- 解答用紙をダウンロードできるので何度でも演習できる
- B4サイズで大きく重いので持ち運びに向かない
こちらは「よくわかる簿記」シリーズの過去問題集です。
他の過去問題集は本試験形式1~3回分収録のものが多い中、過去問8回+予想問題集4回という圧倒的な収録回数が魅力です。
これ1冊やるだけでもそこそこ時間がかかりますので、満足度もかなり高く計画的な勉強ができたと思います。
勉強開始から試験まで3ヶ月ほどだったので、私は合格までにこのテキストを5周ほど繰り返しました。
※当時はネット試験がまだなかったので、過去問10回分だったと思います
5周繰り返したと言っても、最初の1周は何もわからないので、ほぼほぼ「テキストを見ながら解答用紙を埋めてみる」という作業でしたが。
それでも5周もすると覚えてくるもので、だんだん安定して合格点が取れるようになってくると嬉しいものでした。
解答用紙は別冊綴じとダウンロード形式があり、iPadなどタブレットで勉強したい人にも嬉しい仕様ですね。
この「よくわかる簿記」シリーズ共通なのですが、本自体がB5版で大きく重いのが難点です。
勉強するときも手や肘で押さえておくのが結構疲れます(笑)。
こういう本こそ、電子書籍版が出てくれたらいいのになぁ……
あてるTAC予想模試+解き方テキスト 日商簿記2級
- 過去問であまり出ていない論点こそ出題してくれるので、抜け目なく対策できる
- 頻出論点は少し難しめになっていて、実力試しになる
- 解説があまり丁寧ではない
- 紙質の都合か重くはないが、A4サイズで場所をとる
こちらは過去問題集ではなく予想問題集です。
「あてる」という名の通り、次の試験に出る論点をあてたい思いがあふれている予想問題集です。
この予想問題集は、上記の過去問集を何周もしてしまい、余裕で合格点を取れるようになってきたため購入しました。
試験日の1ヶ月ほど前のことだったと思います。
この予想模試を、何も見ずに合格点が取れれば余裕で合格できると思いやってみたのですが……
過去問ではほとんど出てこなかった論点が急に出てきたり、余裕だと思っていた論点を少し難しく出題されたりと、痛いところを突かれた感じでした。
しかしそのぶん理解できていないところをそのままにせずに済んで、一発合格につながったわけです。
ですのでこの予想問題集は、最後の最後に力試しとしてやってみるのがおすすめ。
解説もあまり丁寧ではないので、基本的なところは理解している状態で解くのが良いと思います。
先ほどの「合格するための本試験問題集」よりもさらにひと回り大きいA4サイズで、軽いんですがやはり持ち運びには不便(笑)。
しかし解答用紙は(統一試験の場合)本試験と同じサイズなので、より当日に近い感覚を味わえると思います。
まとめ
いかがでしたか?
独学で勉強するには、テキスト選びが大きなカギを握っています。
必ず自分の目で確認し、自分に合っていると思ったものを選んでくださいね!
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