事務への転職を目指しているあなた、一口に事務といってもたくさん種類があるのをご存じですか?
求人票の職種欄にある「事務」という文字だけを見て、「事務だから応募しよう」と思っているあなたは大変危険です!
今回は、事務職の種類を詳しく解説したいと思います。
事務職は共通している部分もありますが、種類によっては業務内容や求められるスキルが大きく変わってきます。
自分がやってみたい仕事は事務の中でもどの事務なのか、しっかり決めてから求人に応募するのが転職成功への近道です。
事務への転職活動真っ最中の方、これから事務への転職活動を始める方は、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
きくたがわ
大学卒業→税理士事務所勤務(5年)→残業しない事務員(現在)。
税理士事務所勤めの間に身につけた仕事・お金の知識や、残業しないための事務仕事の知恵を発信中。
楽だと思われがちな、どの事務でも共通の仕事
事務の仕事としてまず最初に思いつく仕事はどんなものでしょうか?
皆さまが思いついたことがほぼそのまま、どの事務でも共通の仕事と言えると思います。
- 書類の作成・処理・ファイリング
- 電話応対・来客応対
- パソコンを使ったデータ入力
これらは、基本的にどの事務でも任される仕事だと思って間違いありません。
しかし同時に、これらは事務の仕事のほんの一部です。
どの事務を選ぶかによって必要とされるスキルも能力も全く変わってきますので、この仕事内容だけを見て事務職を選ばないように気を付けてくださいね。
一般企業の事務
ここからは、株式会社など一般的な企業の中に所属する事務職の種類をご紹介します。
一般事務
事務と言えば一般事務を思い浮かべている方も多いのではないでしょうか。
一般事務とは、上記共通の仕事にプラスして、これから記述する4つの事務を兼ね備えていた事務と言っても過言ではありません。
大きな会社であれば事務員も専門ごとに採用するので、あまり一般事務としての募集をかけることはありませんが、
小さな会社や地方の会社になるほど、一般事務としての求人が多くなります。
よって、1つの会社の事務を一般事務数人、あるいは1人で回しているという会社も少なくありません。
一般事務は、最もオールマイティーである必要がある事務と言えるでしょう。
営業・経理・人事労務・総務のすべての知識をある程度把握している必要があります。
勉強するのが好きな人、マルチタスクが得意な人が向いていますね!
営業事務
営業事務は、その名の通り「営業職のサポートをする事務」という意味合いで多く使われます。
よって営業事務が行う書類作成やデータ入力は、見積書や請求書、受発注処理、プレゼン用の資料作りが必然的に多くなります。
営業職との報連相と連携が密に必要な職種であり、営業部門に所属になることも多いため、半分くらい営業職のような感覚もあるとのこと。
そのせいか、事務の中でも忙しく、そのぶん高給ということも多いようです。
スキル面でいうと、WordやExcelにプラスしてPowerPointを使いこなせる人が求められます。
忙しい営業職を支えるために、自分も忙しく頑張れる人が向いているといえるでしょう。
経理事務
経理事務は、「会社のお金を管理し、記帳する事務」です。
売上の入金確認、業者への支払い、従業員が使用した経費の精算、それらを伝票に起こし会計ソフトへ入力(記帳)するなど、お金のやり取りを正確に行い、記録するのが主な仕事です。
会社によっては、銀行へ融資の相談に行くような重役を任されることもあります。
他の事務でも正確さを求められますが、お金を扱う経理事務は輪をかけて正確さを求められます。
また専門知識として簿記はほぼ必須、税法や商法の知識があるとより優遇されます。
会社である限りお金の管理は必ず発生しますので、経理事務はどこでも必ず必要とされる仕事です。
専門的で難しいと感じる人も多いですが、身につけると強いスキルであることは間違いありません。
数字に強い人が向いているけど、算数や数学が得意である必要はありません!
人事・労務事務
人事・労務とは、社員の入退社や異動、給与などを管理する仕事のことです。
したがって人事・労務事務は、それらに関係する業務全般を担うことになります。
応募者の管理や連絡窓口、入退社時の社会保険手続き、毎月の給与計算が業務のメインになるかと思います。
社会保険や給与計算はお金が絡むので、経理事務と人事・労務事務が兼任になることもあります。
人事・労務事務に必要なのは、社会保険や労務の知識。昨今の働き方改革で、多くの会社が重視していることでもあります。
社会保険労務士の資格を持っていると、人事労務部門ではかなり重宝されますね。
ただ、この仕事は従業員さんのマイナスの感情がよく見えてしまうという点をご理解ください。
誰かが誰かに対して持っている不平不満への対処や、従業員が苦しみながら辞めていく姿を直に見なければいけない立場です。
ですので他の事務職よりも、精神的に強い人のほうが向いていると思います。
総務事務
総務事務の主な仕事は、備品管理・設備管理が多いでしょう。
文房具やコピー用紙などの細かい物品から、パソコンやコピー機などのOA機器、各部署所有の備品まですべてを把握し管理します。
他にも冠婚葬祭の対応や、お中元・お歳暮、年賀状等の対応も総務に任されることが多いと思います。
総務事務は、各部署や他の事務では手が回りきらない雑務に細やかに対応する事務といっても良いでしょう。
よって、総務事務に資格などのスキルは必要ありませんが、臨機応変に対応できる能力が必要です。
これまでにない仕事を依頼されることもあるので、それをいかに汲み取って形にできるかで総務事務の力量が測られます。
どの会社でも必要な人材なので、身についた対応力は大きな武器になりますよ!
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特殊な事業所の事務
ここからは、事業所自体が特殊な会社での事務についてご紹介します。
企業の事務だけを探していると見つけにくい事務職なので、これまで見落としていた方は要チェックですよ!
医療事務
医療事務はご存じの通り、病院で受付・会計・レセプト業務をしている事務のことです。
レセプト業務とは、病院で診療を受けた患者さんの保険診療点数を計算し、社会保険診療報酬支払基金などへ提出する業務。
専門知識も必要で民間の資格もたくさんありますので、医療事務になりたい場合は資格を持っておいたほうが良いでしょう。
医療事務は、レセプト提出期限のため月初から10日までが忙しくなりやすい仕事です。
周りに医師や看護師などの高給な職業の人が多いため、医療事務はどうしても給料の低さが目立ってしまうのがツラいところ。
しかし医療事務の最大のメリットは、どの地域でも求人数が圧倒的に多いこと。転職も比較的しやすいと思います。
病院は人間が生きている限り必要な施設なので、将来性という意味でも安心できますね。
ただし、病院にいる事務=全員医療事務、ではありませんのでご注意ください。
士業事務
士業とは、弁護士・税理士・司法書士・社会保険労務士など、高度な専門知識が必要な職業の通称です。
士業事務とはあまり一般的には言わず、「弁護士事務所スタッフ」「税理士事務所職員」などの言い方が多いと思います。
士業事務所での事務員は、弁護士や税理士などの資格を持った先生のサポートとして、書類作成や顧客対応をしています。
ですので仕事内容はその事務所によってさまざま。
一概には言えませんが、共通しているのは「専門の基本知識を日々の業務で身につける必要がある」ことです。
比較的給料も良く、短時間で時給のパートからフルタイムの正社員まで多様な働き方が選べるのも魅力的な点。
しかし専門家を目指す人が修行の意味で在籍することもあるので、求人が出ても人気が高く、ライバルが多いのが現実です。
士業事務になりたい場合は、必然的に日頃から勉強熱心である必要があると思います。
大学事務
大学事務は、その名の通り大学で働く事務職員のことです。
大学事務の仕事はかなり公務員的で、大学内にある各部署を2~3年で異動しながら、ありとあらゆる事務作業を任されることが多いようです。
新卒では、公務員を目指す人が併願で受けていることもありますね。
仕事内容は各部署によって異なり、仕事を覚えた頃に異動……なんてことも珍しくないそう。
よって短いスパンでの環境の変化に対応できる人が求められます。
しかし半分公務員みたいなものなので、人の出入りは民間ほど多くはなく、募集の機会も少ないのが大学事務。
社会人採用だと、4月採用のため前の年の10月頃から採用活動をする、といったことが当たり前の世界です。
人気も高く狭き門なので、転職で大学事務になりたい方は相当の覚悟が必要と言えるでしょう。
人気の職業なので、大学事務への転職に特化した情報サイトもたくさんありますよ!
まとめ
いかがでしたか?
今回はより見かけることの多い事務を抜粋しましたが、他にも販売事務や貿易事務、法務事務といったもっと専門的な事務職もあります。
自分が興味のある仕事はどんなものなのか、1つに絞らなくてもいいのでいくつかピックアップしてみましょう!
漠然と事務を目指して転職活動するよりも、具体的な自己PRが作れるようになりますよ。
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