確定申告書最速の作り方!効率最強の手順を元税理士事務所職員が解説

確定申告書最速の作り方!効率最強の手順を元税理士事務所職員が解説

今年も確定申告の時期がやってきますね。個人事業主の皆さま、準備はお進みですか?

面倒でやる気が出ず、いつも申告期限ギリギリになってしまう……という方もいらっしゃることでしょう。

もしかすると面倒なのは、無駄な作業を多くやってしまっているからかもしれません。

今回は、元税理士事務所職員が確定申告書を最速で作る効率の良い手順をご紹介します

この方法は税理士事務所の職員なら全員基本として身に染みついている方法なので、最速なのは間違いありません!

どんな業種の方でも応用が効く手順となっていますので、毎年この時期に憂鬱になっている方はぜひ最後までご覧ください。

一度コツをつかむと作業が楽になり、毎年この時期も本業に集中できるようになりますよ!

こんな人に読んでほしい
  • 確定申告書の作成が面倒で先延ばしにしてしまう
  • 確定申告書を効率よく作るコツを知りたい
  • 確定申告のための書類がごちゃごちゃになりがち

ちなみに今回は、白色申告の方と青色申告(簡易簿記)の方を想定して書いています。

青色申告(複式簿記)の方は、ここに書く方法でも良いのですが別の手順もありますので、後日また記事を書こうと思っています。少々お待ちください。

この記事を書いた人
きくたがわ

きくたがわ

大学卒業→税理士事務所勤務(5年)→残業しない事務員(現在)。
税理士事務所勤めの間に身につけた仕事・お金の知識や、残業しないための事務仕事の知恵を発信中。

目次

手順1 資料を整理する

まずは資料を用意し整理しましょう。

と簡単に言うと「それが面倒なんじゃん……」と思う方もいらっしゃるでしょう。大丈夫です、それは私もわかっています(笑)

確定申告を速く終わらせるためにいちばん大事なのは、この資料整理です。

税理士事務所時代、上司がよく「資料整理が終われば申告書作成の8割は終わっている」と言っていました。

そのくらい資料整理が仕事の大半を占めるのです。ここが大変なのは重々承知しています。

日頃から整理しているという方は読み飛ばしてもOKですが、整理の仕方が非効率になっていないか念のため読んでみていただけると嬉しいです。

用意するもの
  • クリアファイル(なければ箱か紙袋)……10枚(10個)くらい
  • 資料を留める用のクリップ………………たくさん

では、どのように整理するのか具体的に紹介しますね。

手順1-① 資料をすべて机に出す。データのものはできれば印刷する

いったん広い机や広い床に資料をすべて出しましょう。レシートや領収書、クレジットカードの利用明細書、自分が発行した請求書、入金の明細書などすべてです。

データしかない資料は、すべて印刷すると抜け漏れしにくくなります。(ついに始まる電子帳簿保存法とは逆行してしまいますが……)

印刷しない場合は、Excelで一覧を作って塗りつぶしていくなど、抜け漏れなく集計できる方法を取りましょう。

しかし新たにExcel資料を作ることになるので、手間が追加になるのと転記ミス・漏れの原因になってしまいあまりオススメはしません。

手順1-② 資料を内容ごとに分ける

すべて出した資料を売上・収入」「経費」「医療費」「国保・国民年金」「控除証明書」「ふるさと納税」など内容ごとに分けましょう

内容ごとにクリアファイルや箱を作って入れておくのがおすすめです。

そして重要なのが、この時点で足りないものがないかを確認しておくことです。

入力に進んでから「あの資料がない……」と思い出して探し始めるほど、無駄な時間はありません。

この段階で去年の確定申告書を見て、足りない資料がないかを確認し、あれば追加しましょう。

例えば水道光熱費や家賃などを一部経費にしている場合、口座引落のものは忘れやすいので要注意です。

おすすめなのは「用意する資料リスト」を作ってしまうこと。
1度作れば毎年チェックを入れながら用意できますし、抜け漏れを防げます。

手順1-③ 内容ごとの資料をさらに月別・相手別などに分ける

最後に、内容ごとに分けた資料をさらに分けて整理しましょう。

売上・収入の資料は、入金の形に合わせて月別か相手別に分けていきます。分けたらクリップで留めます。

例えば1ヶ月分まとめての入金がある相手先が複数ある場合は、相手ごとに分ければ12枚の束が相手の数だけできますね。

不特定多数の相手に販売する業態の場合は、シンプルにまず月別に分け、その後日付順に並べ直すと良いと思います。

経費の資料(特にレシート類)は、①まず月ごとに分けて、②その後科目ごとに分けて、③さらに店ごとに分け、④最後にその中で日付順に並べ直すと良いでしょう。

そこまで経費資料の量がない場合は③は飛ばしても良いですが、①②④は極力やった方が後の入力が楽になると思います。

これも分けたらクリップでそれぞれ留め、科目ごとに少し大きいクリップでまとめ、1ヶ月分を大きなクリップで束ねると階層がわかりやすくなるのでおすすめです。

医療費①まず人別に分け、②その中で病院(薬局)ごとに分け、③その中で日付順に並べ直すと良いですね。

国保・国民年金、控除証明書、ふるさと納税の資料はすべて日付順に並べ直しましょう

日付順に並べ直す理由は、抜け漏れに気づきやすくなるからです。
(毎月月末に払っている領収書が1枚ないとか、毎週行ってる病院の領収書がないとか……)
ここでも整理しながら抜け漏れがないかを確認しつつ、あれば追加しつつ進めましょう。

すべての資料が揃ったら、作業の8割は終わりです!集計作業に進みましょう。

手順2 売上を集計する

それではいよいよ、売上を集計していきます。

Excelでも会計ソフトでも構わないので、日付・相手・金額を1行に入力していきましょう。

先ほどの資料整理で相手ごとにまとめた場合は、1行入力したら次の行からは上の行をコピー&ペーストして日付と金額だけ変えればOK

月ごとにまとめた場合は愚直に入力していきましょう。面倒に思えるかもしれませんが、作業なので慣れてくるとだんだんスピードも上がってきます

「3ヶ月分入力するごとに休憩する」などのルールを決めるとリフレッシュできて良いですよ。

売上の集計は最も誤りがあってはいけないところ。わざとでもそうでなくとも、売上の過少計上に税務署は厳しいものです。

売上を実際より少なく申告してしまうことはいちばん避けなければなりませんので、ここでも抜け漏れに気づいたら必ず追加しましょう。

手順3 経費を集計する

経費の集計も売上同様、Excelや会計ソフトへ入力していきます。

先ほど月ごとの次に科目ごと・店ごとでまとめていますので、ここでも1行入力すればしばらくコピペで日付と金額を変えるだけで入力できます。

店が変わったら1行入力してコピペ、科目が変わったら……と繰り返していけばOKですね。

疲れてきたら「経費をきちんと入力すればするほど自分の税金が減る」と思って頑張りましょう。

経費の方は、計上漏れがあっても税額が増えるので税務署は何も言いません。
経費は逆に過大計上(実際に払っていないのに経費にする)の方を厳しく見られます。

手順4 収支内訳書・決算書を作る

ここまで来たら、白色だったら収支内訳書・青色だったら青色決算書を作成します。

会計ソフトからそのまま収支内訳書・青色決算書を作れる機能があるものであれば、出力すればOK。

手書きor手入力(国税庁の確定申告書作成コーナーなど)の場合でも、先ほど入力したものを科目ごとに1年分集計して写していくだけです。

会計ソフトなら残高試算表のなかの損益計算書を見てそのまま写していきましょう。

Excelであればsumif関数ピポットテーブルを使えれば簡単に集計しやすいところですね。

Excelが苦手な人でも、先ほど科目ごとに入力していればそこまで苦労しないと思います。

すべての科目を入力し所得金額が計算できたら、そのほかの欄・ページの必要箇所を埋めて完成です。

手順5 医療費を集計する

最初に整理しておいた医療費の領収書を持ってきて、集計します。

最初に整理した束ごとに足し算していくだけです。人別・病院(薬局)別の数字が出ますので、後ほどこの束1つにつき1行入力するだけになります。

ここもExcelで集計しても構いませんし、電卓を叩いてメモしておくのでも大丈夫です。

自費診療分(予防接種や診断書料など)を一緒に集計してしまわないように気をつけましょう!

手順6 確定申告書を作る

最後に、確定申告書を作りましょう。

先ほど集計した医療費の金額と、最初に資料整理した国保・国民年金、控除証明書、ふるさと納税の資料を持ってきます。

会計ソフトからそのまま申告できる機能付きのソフトや、国税庁の確定申告書作成コーナーで作る場合は、手順に従って入力していくだけです。

手書きで作る場合、書いていく順番は申告書の後ろの方からです。

税務署の申告書はだいたい後ろから作ると作りやすいようになっています。

今回例に挙げている資料がすべてある場合は、①寄付金控除の明細書(ふるさと納税)②医療費の明細書(医療費控除)③確定申告書二表④確定申告書一表の順で作っていくとスムーズです。

これで確定申告書の作成は終了!お疲れ様でした!

まとめ:手順さえわかっていれば毎年楽できる!

いかがでしたか?

少しでも参考になる部分があれば大変幸いです。

面倒な作業を面倒じゃなくするには「システム化・作業化して考えることを少なくする」ことが重要だと私は思っています。

毎年手順を統一して進めるだけでかなりやりやすくなり、年数を重ねるとどんどんブラッシュアップできると思います。

ぜひ今回の記事を参考に、自分のやりやすい形を見つけてみてください。

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