経理を任せたい……経理を雇うor税理士に依頼、どっちがいいの?

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経理を任せたい……経理を雇うor税理士に依頼、どっちがいいの?

1人で始めた事業が少しずつ軌道に乗ってきて、経理作業をしている時間が無くなってきたと感じている方へ。

まずは軌道に乗り始めたとのこと、おめでとうございます。大変な努力を積み重ねた結果が実ってきて嬉しい時期だと思います。

しかし同時に「経理をやってくれる人いないかな……」「税理士に頼んだ方がいいのかな……」という悩みも出てきている頃ではありませんか?

今回は、1人で経理までやっている事業主さん向けに経理の人を雇うことと税理士へ経理を外注することを徹底比較し、どちらが得かを考察してみたいと思います。

こんな人に読んでほしい
  • 経理を誰かに頼みたいけど、経理を雇えばいいか税理士に頼めばいいかわからない
  • 人を雇ったことがないので、何を心配すればいいかわからない
  • 税理士に相談に行く前に何をしてくれるのか知りたい

どうぞ最後までご覧ください。

この記事を書いた人
きくたがわ

きくたがわ

大学卒業→税理士事務所勤務(5年)→残業しない事務員(現在)。
税理士事務所勤めの間に身につけた仕事・お金の知識や、残業しないための事務仕事の知恵を発信中。

目次

経理を雇うvs税理士に頼む 比較表

まずは経理を雇うことと税理士に依頼することについて、気になることを一気に比較してみましょう。

経理を雇う税理士に依頼する
かかるお金高い安い
細かいことの頼みやすさ頼みやすい頼みにくい
経理の質個人差が強い個人差が強い
スピード感リアルタイムに近い最低1ヶ月以上待つ
税務対応難しい場合が多いしっかり対応してくれる

こちらの表では、5つの項目で比較してみました。「高い」「安い」などは他方と比較したときの相対的なものですので、ご了承ください。

表からわかる通り、どちらにも強みと弱みがあります

経理と税理士は仕事内容が全く違いますので、一口に経理を頼むと言ってもできることとできないことがそれぞれにあるのです。

よって理想的なのは「経理もいて税理士にも見てもらっている」状態なのですが、事業を始めたばかりだとどちらも取ることは難しいことも多いでしょう。

今のところ先にどちらかを選ばなければならないとなると、優先したい事項を決めることが大切です。

経理を雇うvs税理士に頼む 比較項目ごとに細かく解説

それでは、表の各項目ごとに詳しく比較していきましょう。

気になる項目はもちろん、気にしないところにも思わぬ落とし穴がある可能性もあるので、ぜひすべての項目を読んでみてください。

「かかるお金」で比較

かかるお金でいえば、税理士に頼む方が安く済むことが予想されます

経理の人を1人雇う場合、例えば1日3時間・週5日・時給1,000円で来てもらった場合、1ヶ月で支払う給与は60,000円超になります。

もう少し長い時間お願いしたいとなると、その分給料が増える+雇用保険・社会保険の加入も必要になりますので、会社負担分の雇用保険料・社会保険料も考慮しなければいけません。

2024年1月現在、雇用保険週20時間以上働く従業員は加入させる必要があります。
社会保険は一般的に週40時間以上だと加入の必要がありますが、個人事業主1人・従業員1人であれば加入義務はありません。
ただ募集のときに「社会保険に入れる」とうたう方が、優秀な人材を見つけやすいと思います。

一方税理士に依頼する場合、売上高や業種、請け負う業務などを総合して顧問料が決まります。

ですので一概に「いくら程度が相場」とは言えないのですが、1人でやってきた事業で軌道に乗り始めの頃であれば、月額顧問料が50,000円を超えることは考えにくいと思います。

よって、税理士に依頼するほうが1ヶ月にかかる経費は抑えられると予想されます。

経理の人も週20時間以下だとできることが限られますので、思ったよりも仕事を任せられない可能性もありますよ。

税理士事務所は、よほど開業したてでもない限り複数のお客様を抱えています。

1ヶ月の時間を十数件のお客様に時間を割り振って、それぞれの作業をしています。

つまり、1件のお客様に対し経理の人ほど多くの時間を割けるわけではありません

ということは、税理士報酬が経理に払う給料より多くなってしまったら、それはおかしい話ですよね?

税理士事務所がこれを理由に報酬を決めているわけではないのですが、税理士事務所に依頼するほうが安く済む理由としては、このように思っていただければよいかと思います。

「細かいことの頼みやすさ」で比較

細かいことの頼みやすさでいえば、雇った経理の人の方が頼みやすく動いてくれやすいしょう。

税理士に依頼する場合料金で請け負う業務が決まっていますので、融通が利きにくいというデメリットがあります。

先ほどのお金の話でもありましたが、税理士報酬は経理を雇うより安く済むケースの方が多く、経理の人ほど細やかにどんな仕事もしてくれるわけではありません。

料金面以外でも、税理士事務所として受けられない経理業務もあります

例えば、売上の請求書発行や集金時の領収書作成を税理士事務所に依頼しても、やってくれるところはほぼないと思います。

仕入や経費の請求書整理と、ネットバンクでの振込作業であれば受けている事務所もあるようですが、受けてくれない税理士事務所もたくさんあります。

「入出金が済んだ資料を預るのが税理士事務所の仕事」としている事務所も多いですし、単純にお客様の入金や支払いにまで責任を持ちたくない税理士も多いということでしょう。

振込代行などの経理代行業務に関しては、税理士によって賛否両論な印象があります。。。

雇った経理の人なら、その点自社の従業員なので雇用主に指示された仕事を断ることは基本的にありませんよね。

税理士がやってくれない日常的な経理業務(経費の支払い関係、売上請求書領収書の発行、集金)などは経理の人にならやってもらえます。

他にも臨時的な資料作成やおつかいなどが出てきたら、自社の経理の人になら業務の1つとしてお願いできるでしょう。

こういった細やかな対応を重視したい場合は、経理の人を雇うのが良いと思います。

目安として、会計ソフトへの入力作業から先をしている時間がないという人は税理士にお願いするほうが良いでしょう。
日々の経理資料の整理からすでにツラいという人は、経理の人を雇うことをおすすめします。

「経理の質」で比較

経理の質の高さで比較すると、こればかりは人によるとしか言えません。

経理の人を雇う場合でも、経理経験が1年の人と10年の人ではできることが全然違います。

また経理経験が数年あっても、たくさんある経理業務のうち1つの業務しかやってこなかったためそれしかわからない、という人もいます。

税理士にお願いする場合でも、税理士自身の経験値だけでなく、税理士以外の担当がつく方式の事務所であれば担当者の経験値にもかなり左右されます。

本来であれば税務のプロである税理士は、その辺の経理事務さんよりも質の高い仕事をしなければならないとは思うのですが……

残念ながら知識のない税理士や担当者にあたってしまう可能性がないとは言えません。

どちらを取るにしても、経理知識がしっかりありそうか、信用できそうな人かを見極める必要があります。

信用できそうか確かめるため、実際会ったときに「自分が経理関係で困っていること」を挙げてどうしたら良いかアドバイスを求めてみると良いと思います。

その返答が理解できて納得できるものであれば、今後も助けになってくれると予想できます。

「スピード感」で比較

スピード感で比較すると、経理を雇う方がリアルタイムに近いスピードで経理をしてくれます。

ここでのスピード感とは、日々の実績を数字で見られるようになるまでの時間を指すことにしましょう。

税理士に依頼する場合は、最短でも1ヶ月ごとに1ヶ月分の資料を渡し、数週間待ってようやくその1ヶ月の営業実績を試算表としてもらうことができます。

つまり日ごとや週ごとの実績を見ることはできず、売上や利益が良かったか早く確かめたくても1ヶ月半ほどは待たなければならないのです。

経理の人を雇った場合は、その日に起こったことはその日(あるいはその翌日)までに会計ソフトへ入力してもらうようにお願いしておけば、日ごとの実績も翌々日には確認できるようになります

業種や売上の形態にもよりますが、基本的には資料が揃ったらすぐさま実績を確認したいものかと思います。

そのため速いスピードで営業実績を確認したい人は、税理士に依頼するよりも経理を雇う方が良いと思います。

逆に言えば、売り上げも仕入経費もほとんど1ヶ月分まとめての入金・支払になる場合は、どちらにしても1ヶ月毎になるので税理士に依頼してもスピード感は変わりません。

「税務対応」で比較

税務対応で比較すると、当然ですが税理士に軍配があがります

税務対応とは、確定申告書など申告書の作成、税務調査があった場合の対応を想定しています。

経理の人を雇った場合、その人が元税理士事務所スタッフでもない限り、詳しい税務知識は持ち合わせていないことの方が多いでしょう。

一般企業で経理をやっていた人であれば、確定申告書(特に白色・青色決算書付きの)なんて見たこともないという人がほとんどだと思います。

そして税務調査は、元税理士事務所スタッフですら立ち会ったことが無ければ怖いものです。

税理士に依頼した場合は、この点何の心配もありません。

確定申告書の作成が対個人事業主のメイン業務ですし、税務調査のときに壁になるために月次監査業務を受けているのです。

税務調査に備えるために税理士に依頼したいという個人事業主も多いです。

他にも、利益が増えて税金が増えそうな年には節税対策を教えてもらえることもあります。

税金が増えてきたとか、調査が入ったときのことが心配な人は税理士にお願いするほうが良いでしょう。

「個人事業主のうちは税務調査が入る確率が低いので税理士はいらない」という事業主さんもいますが、「油断していたら調査が来て痛い目にあったので税理士にお願いすることにした」という事業主さんもいますよ。

まとめ:優先事項を決めて選び、本業に集中しよう

いかがでしたか?

経理を雇うのも税理士に依頼するのも、長所短所があることがお分かりいただけたかと思います。

どちらにしようか迷う際は、こちらの表の中で重視したい優先事項を決めて選びましょう。

経理を雇う税理士に依頼する
かかるお金高い安い
細かいことの頼みやすさ頼みやすい頼みにくい
経理の質個人差が強い個人差が強い
スピード感リアルタイムに近い最低1ヶ月以上待つ
税務対応難しい場合が多いしっかり対応してくれる

税理士に依頼しようと決めた方へ

最終的に税理士に依頼したいと思ったら、かならず複数の税理士に見積もりを依頼し、実際に話してみて選ぶようにしましょう。

1度税理士に依頼するとなかなか他の税理士には変えづらくなりますので、最初にベストな税理士を見つけられるのが理想です。

同業者や事業主仲間にどこにお願いしているか聞いてみたり、無料で税理士を紹介してくれるサービスをうまく利用するのが良いと思います。

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