税理士事務所の面接で聞くべきこと!長く働ける事務所を見極めよう

税理士事務所の面接で聞くべきこと!長く働ける事務所を見極めよう

税理士事務所の面接に行くことになったけど、何を聞けばいいんだろう……

税理士事務所はきついっていうけど、面接でその事務所がブラックかどうか見極めたい!

税理士事務所で働くのは「きつい」「難しい」「未経験者には厳しい」とよく言われますね。

しかしすべての事務所が厳しい環境、つまりブラックなわけではありません。中にはホワイトな事務所もあります。

また転職においては一概にブラックかホワイトかというだけでなく、グレーでもあなたにとって働きやすい職場を探すのが大事です。

今回は税理士事務所で面接を受ける人向けに、自分に合った事務所か見極めるために面接で聞いておくべきことをまとめます。

この記事を読めば、自分が長く働ける事務所かどうかを見極めるヒントが見つかると思いますよ!

こんな人に読んでほしい
  • 税理士事務所の面接が決まった人
  • 税理士事務所の求人に応募しようか迷っている人
  • 税理士事務所で働きたいけど、ブラックに当たってしまわないか心配な人
この記事を書いた人
きくたがわ

きくたがわ

大学卒業→税理士事務所勤務(5年)→残業しない事務員(現在)。
税理士事務所勤めの間に身につけた仕事・お金の知識や、残業しないための事務仕事の知恵を発信中。

目次

面接で聞くべきこと①
働いている人たちの年齢層

確実に聞いておきたいのは働いている人たちの年齢層です。

大規模な税理士事務所であれば、毎年新卒採用をしていて年齢層に偏りがあまりないことが多いですが、そういった事務所は中途の求人をあまり出しません。

中小、特に小さな個人事務所は一緒に働く人の年齢層が偏っていることが多いと思った方が良いでしょう。

従業員数や男女比は求人の時点で公開されていることがほとんどですが、年齢層は事務所や利用する転職サイトによって公開していないこともある情報です。

ぜひ面接で事前に聞いて確認すべきでしょう。

税理士の年齢

まずはその事務所のボスである税理士の年齢を聞いておきましょう。

これは、所長税理士の年齢が高いほど引退や急な閉業が近い可能性があるためです。

前提として税理士の平均年齢は高く、全国平均で60代というデータもあります。

高齢の所長税理士がボスの事務所だと、せっかく採用されても所長が急な病気などで引退せざるを得ない状況になってしまうリスクがある、ということですね。

その事務所がブラックかホワイトか……というところに目が行きがちですが、こういう意味でも長く働けそうか気にしてみる必要もあります。

所長税理士が高齢である場合は、後継ぎの税理士がいるかどうかも聞けると安心です。

税理士自身が面接してくれている場合は、「大変失礼ながら」と前置きするのが無難です。

税理士以外の年齢層

働く側としてより気になるのは、税理士以外の職員の年齢層ですね。

同じ立場で仕事をする人たちが馴染みやすい年代かどうかはどの職場選びであっても重要視されますが、特に税理士事務所では重要視したいポイントです。

税理士事務所での仕事は、前述のとおり「きつい」「厳しい」と言われがち。

仕事の内容が難しくわからないことだらけになったとき、声をかけやすい年代の人が多いかどうかで仕事の覚えやすさがかなり違いますよね

また最初の頃は仕事時間中ずっと必死なので、仕事以外の時間や会話でリフレッシュするしかないような状況になりやすいと思います。

そんな環境で年代が離れた人たちしかおらず、世間話も噛み合わないなんてことになると、早期退職一直線です。

バリバリ働きたい若い人、子育て世代、はたまた仕事に慣れたベテランなど、ざっくりでも良いので年齢層を聞いてみると良いでしょう。

「私と近い世代の方は在籍していますか?」という聞き方から広げていくのも良いですね。

面接で聞くべきこと②
個人プレーかチームプレーか

税理士事務所の仕事のしかたは、大きく分けて個人プレーかチームプレーかの2つがあります。

このどちらを取っているかは、働きやすさに大きくかかわるのでぜひ確認しましょう。

個人プレー型の事務所は、顧問先1件1件に決まった担当者がつく形で業務を割り振っています。

「株式会社○○(顧問先)のことは△△さん(担当者)がすべてわかっている」という状態ですね。

チームプレー型の事務所は、1件の顧問先について複数の担当者がつきます

財務監査でも給与計算でも、1人が作業した成果物をチェックする上司やグループがある環境です。

顧問先1件に複数担当者がつくとしても、入力担当・監査担当・給与担当など担当する業務が異なり、それぞれの担当者が1人しかいない場合は個人プレー型と言えます。

個人プレーの事務所の特徴

個人プレーの事務所は、以下のような特徴があります。

  • 自分の仕事さえ終わっていれば残業も休日出勤も不要
  • 仕事がどれだけ詰まっても助けを求めにくい
  • 自分で情報を集めたり勉強したりする必要がある
  • 社内イベント(飲み会やレクリエーションなど)が比較的少ない

個人プレーの事務所だと、自分の仕事さえ終わっていれば定時で帰ろうと有休を取ろうと文句を言う人はいません

しかし逆に、仕事が立て込んでしまったときに同僚にヘルプを出しても、同僚には断る権利があるのです。

仕事が詰まっても最後には自分で何とかしなければならないというのが、個人プレーのつらいところ。

また基本的に1人で仕事を進めることが多くなるため、日頃の情報収集や勉強が仕事のしやすさに直結します。

勉強や調べることが好きな人には良い環境ですが、苦手な人にはつらいかもしれません。

個人プレーの事務所はチームプレーの事務所よりも人間関係が淡白になりやすいので、飲み会などの社内イベントが少なくなりやすいのも特徴です。

チームプレーの事務所の特徴

対してチームプレーの事務所には、以下のような特徴があります。

  • 仕事が属人化しにくい
  • 自分の仕事に必ず複数の人の目が通る
  • 人間関係が仕事に直結する

チームプレーの事務所では、「この件は○○さんしか知らない」という状況が起こりにくいのが特徴です。

誰かが急に休んでも他の人が対応できるので、顧問先に迷惑をかけずに済みます。

つまり急に休むことが多い人(子育て世代や持病がある人など)にとっては安心できる環境ですが、休むことが少ない人は誰かのフォローをすることの方が多くなるということです。

また自分の仕事に必ず複数の人の目が通るので、初心者のうちは安心できると思いますが、経験を重ねると細かいチェックを入れられるのが面倒になってくることもあるでしょう。

そして自分1人で進める仕事がほとんどないため、仕事のしやすさはチームの人に左右されがち。

チームの人と合う合わないが仕事のしやすさに直結してしまうというのも、注意したいポイントです。

どちらのタイプの事務所で働きたいか・自分に合っているかなど、事前にじっくり考えておくことをおすすめします。

面接で聞くべきこと③
未経験入社の割合

特にあなたが未経験で税理士事務所に転職しようとしている場合は、業界未経験で入社した人がどのくらいいるかを確認しておきましょう。

これは入社する人間にどのくらい教育できる力があるかを見極めるための質問です。

税理士事務所は人の出入りが激しい業界なので、未経験で入社する人も比較的多い業界です。

逆に言えば「人の出入りが激しい=常に人手が足りない」とも言えますので、新人教育に時間を割いている余裕がなく「経験者しか採用しない」という事務所もあります。

あなたがすでに面接に進めているなら経験に問題はないということだと思いますが、実際に入社したあとどうなるかを想像しながら解説します。

未経験入社が少ない場合

未経験で入社した人が少ないという場合は、以下のどちらかのケースが考えられます。

  • 従業員の定着率が高く人があまり入れ替わらない
  • 未経験で入社した人の離職率が高い

従業員の定着率が高く人があまり入れ替わらない事務所であれば、未経験者に対する教育体制もしっかりしている可能性も高いです。

他にも一緒に働く人が優しい・人柄が良いなど、未経験者でも長く働ける環境が整っていることが考えられます。

人が入れ替わらないということは、平均勤続年数が長く平均年齢も上がるでしょう。このあたりも一緒に聞いて確認したいところです。

逆に未経験で入社した人がすぐに辞めてしまう事務所であれば、未経験者に仕事を教えられるだけの余裕や人手がないことが考えられますね。

そういう事務所は試用期間で見切りをつけて本採用しなかったり、いちばん長い職員でも10年未満だったりします。

試用期間の条件や本採用の条件もあわせて確認できると良いですね。

未経験入社が多い場合

未経験で入社した人が多い場合は、以下の2つのケースが考えられます。

  • 未経験で入社する人への指導体制がある程度できている
  • 人手不足や業務拡大でとりあえず未経験でも採用している

未経験で入社する人へ指導する体制ができている事務所ならば、未経験者が一から仕事を覚えて活躍できているということになります。

多くの税理士事務所は個人経営なので、大きな会社のような新卒研修や業界研修などは基本的に期待しない方が良いです。

ざっくりでも「新人にやってもらう仕事」というものが決まっていたり、新しい人が入るとなったら教育係をつけてくれるというだけでも、個人的にはかなり親切な事務所だと思います。

ですので、「最初はどんな仕事から始めることになるか」「教えてくれる予定なのはどのような人か」を聞いてみて、すでにプランがありそうであれば安心できる事務所と言えそうです。

または人手不足や業務拡大などで、とりあえず未経験者でもいいからと大量採用している可能性もあります。

その場合は直近で入った先輩が先月入ったばかりの人だとか、業務をわかっていない人が大半の状態になっている可能性も無きにしもあらず。その事務所は大変危険です。

未経験者の割合が多い場合は、その人たちが何年くらい勤めているかもあわせて確認するのが必須ですね。

面接で聞くべきこと④
今面接をしてくれている人は税理士か

ハードルは高いのですが、今面接をしてくれている人が税理士かどうかは確認した方が良いと思います。

理由としては、

  • 面接官が税理士でない場合、税理士とのフィーリングが合うかわからない
  • 税理士ではないのに強気な態度の場合、嫌な上司になる可能性がある
  • 税理士目線と職員目線で欲しい人材が違う

こんなことが挙げられます。

面接官が税理士でない場合、税理士とのフィーリングが合うかわからない

面接官(税理士ではない)が良い人そうだったからと入社を決めても、税理士はとんでもなくワガママでパワハラ気質だったということもままある話。

税理士事務所において税理士の言うことは絶対なので、税理士とのフィーリングはとても大切です。

正直に言うと、税理士事務所なのに面接に雇用主となる税理士が出てこない事務所は個人的にはちょっと心配です。

税理士ではないのに強気な場合、嫌な上司になる可能性がある

面接官(税理士ではない)がまるで自分が税理士であるかのように話していたら、入社後その人が嫌な上司になる可能性もあります。

おそらくその人は「税理士になりたかったけどなれず、コンプレックスを持っている人」です。

税理士事務所には、税理士になることを諦めた人が結構な割合でいます。

優しくて所長税理士よりも税務に詳しい頼れる人もいるんですが、税理士になれなかったコンプレックスから非税理士職員に対して強く出る人もいるのです。

税理士の目線と職員の目線は違う

面接の受け答えの中で、その人が税理士なのかそうでないのかで意味合いが変わってくることがあると思います。

たとえば先ほど挙げた「個人プレーかチームプレーか」といった質問に対し、税理士は「チームプレーだ」と思っていても、税理士でない職員は「いやいや個人プレーだよ」と思っていることもあります。

事務所の本当の雰囲気を見極めたい場合は、税理士よりもできるだけ平に近い職員と思われる人の話を信じるのが良いでしょう。

その見極めのために、面接官が税理士かどうかは確認できたら理想的です。

最初に名刺をもらえたら役職を必ずチェック!
事前にその事務所の所属税理士名を調べておくとより安心ですね。

面接官が税理士かどうか不明の場合、いきなり「税理士ですか?」と聞くのは失礼になります。
・税理士を目指している人を求めていますか?
・税理士を目指している人は事務所内にいますか?
などの周辺質問から攻めていくと、自然に聞きやすいと思います。

まとめ:一般的なホワイトではなく「自分にとってホワイト」な事務所を見つけよう

いかがでしたか?

税理士事務所は星の数ほどありますので、単純にブラックかホワイトかで二分しきれない事務所のほうが多いと思います。

ここまで書いた質問は、絶対的な白か黒かを判断するものではなく「あなたにとって白か黒か」を判断するためのものです。

税理士事務所はきついらしい……と思っていた方も、自分に合っている事務所なら大丈夫そうに思えてきませんか?

再度税理士事務所の面接で聞くべきことをまとめますので、面接直前にも確認してみてくださいね。

この記事のまとめ

税理士事務所の面接で聞くべきこと

  • 働いている人の年齢層……税理士と税理士以外両方確認!
  • 個人プレーかチームプレーか……自分に合うのはどちらか事前に考える
  • 未経験入社の割合……その後の勤続年数なども聞いて定着しやすいか予想する
  • 面接官が税理士か……入社後の上司や先輩がどういう人かを見極める
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