税理士があんまり良くない気がするけど、どうしていいかわからない
税理士を変えるとなると、波風が立ちそうで言い出せない
今回は、税理士を変えてもいいのかお悩みの事業主さん向けに、税理士を変えるあるあるなきっかけや税理士を変えるときの注意点をご紹介します。
私は税理士ではありませんが、税理士事務所に5年超勤めてきました。
法人で150~160件ほどの顧問先を持つ事務所でしたので、5年の間に新しく契約になったお客様も、長年お付き合いがあったものの解約されて他の事務所へ移られたお客様もいらっしゃいました。
そのときの経験から、税理士目線ではなく税理士とお客様の間に立つ職員の目線で、税理士を変えたい事業主さんの疑問にお応えしたいと思います。
- 税理士の対応に不満があるが、そんな理由で税理士を変えてもいいのかわからない
- 税理士を変えるとき、税理士事務所の人間はどう思っているか知りたい
- 税理士を変えたいが、何に気をつければいいかわからない
きくたがわ
大学卒業→税理士事務所勤務(5年)→残業しない事務員(現在)。
税理士事務所勤めの間に身につけた仕事・お金の知識や、残業しないための事務仕事の知恵を発信中。
税理士を変えても良い!でもコロコロ変えるのはダメ
結論から言うと、税理士に不満があるなら変えてもOKです。
後述しますが、お客様が税理士に持つ不満はいろいろあり、積み重なって税理士を変えるに至ることが多いです。
税理士を変えるメリットとデメリットを以下に挙げますので、迷っている方は参考にしてみてください。
- 今の不満が解消される可能性がある
- セカンドオピニオン的に今まで気になっていたことを聞ける
- 税務調査が来にくくなる
税理士を変えるときには、新しい先生にその不満を伝えたうえで依頼することになりますので、不満が解消される可能性は高いと思われます。
それまでの税理士とは長い付き合いになりすぎて今更聞けなかった税務のことを、新しい税理士になら聞きやすくなるのもメリットですね。
また税理士を変えた直後は経理処理が一時的に手探り状態になるため、税務調査が入りにくくなると言われています(絶対入らないとは言いませんが)。
- 自社のことを一から説明する手間がかかる
- 最初の数年は報酬が上がる可能性がある
- 頻繁に税理士を変えていると税務調査が入りやすくなる
税理士を変えるとなると、これまではツーカーでわかってくれていた経理処理や過去の話を一から説明する必要があります。
特に創業時からお願いしていた税理士から変更するときは、この負担がより大きいと考えられます。
そしてこれは、税理士事務所側も大変な作業です。そのため、慣れるまでは報酬を高めに設定し、慣れるであろう2~3年後に報酬を引き下げるという契約をする事務所もあります。
また先ほどは税務調査が来にくくなると書きましたが、あまりにも税理士をコロコロ変えていると逆に税務調査が入りやすくなります。
複数の税理士にさじを投げられている=誤りやどうしようもできない点が多いのではないか?と税務署に判断されてしまうためですね。
私がいた事務所でも、前の税理士と解約・こちらで契約した2ヶ月後に税務調査が入ったお客様がいました。
こうなると今契約している税理士は何も対応できないので、
・調査官に言われるがまま是正・追徴に応じる
・手間のかかる修正申告を税理士に依頼することになるので、高めの報酬を払う
なんて状況になってしまいます。
よって税理士を変える場合は、複数の税理士と面談して長年お付き合いできる人を見つけるのが理想です。
実際にあった税理士を変えるきっかけ
それでは、実際にあった税理士を変えるきっかけをご紹介していきます。
今お持ちの悩みがこの中にあれば、税理士事務所としてはあるあるなので非常識なことではないと安心していただいて大丈夫ですよ。
希望するサービスを受けられない
希望するサービスがない場合は、税理士を変えるしか改善手段がないケースがほとんどです。
例えば節税対策のアドバイスが何もない、経理代行を依頼したが断られた、会計ソフトを変更したいが対応していないと言われた、などがあります。
こういったことは税理士の方針に強く左右されることなので、税理士の意見が変わらない限りこの不満が解消される可能性は低いでしょう。
もし税理士の方針が変わって「これからは対応する」と言ってくれたとしても、今から始めるということは手探りになるということです。
嫌な言い方ですが、あなたの会社がその税理士事務所の実験台になるということに同意できるならそれでも良いと思います。
しかし他にもっとノウハウのある税理士が近くにいるなら、そちらにお願いするほうが安心できますよね。
現状頼んでいる税理士が希望するサービスをやっていないのであれば、それは税理士を変更する大きな理由になります。
仕事の質が低い
仕事の質が低いと感じて税理士を変える事業主さんもたくさんいます。
例としては決算書や申告書に大きな誤りがあった、一度確定した試算表によく修正が入るといったことがあります。
特に決算書や申告書に誤りがあると、一発で税理士を変える!と決断される方もいます。
これらの帳票は金融機関などに提出することもあり、大きなミスがあるのは死活問題になりかねないので当然といえば当然ですね。
逆に決算書を見た金融機関から「この先生にお願いしていて大丈夫?」と心配されて、税理士を変えたというケースもありました。
しかし、ミスの原因がどこにあるのかを聞いてみたり考えてみることも必要です。
税理士ではない担当がつく形の事務所では、担当者がミスしていて税理士に報告していないということもありえます。
担当者を変えてもらえば改善する可能性もあるので、そのときは税理士を変える必要はないでしょう。
逆に税理士がその業種や事業形態に詳しくなくて、担当者に丸投げしているケースもあります。
そのときは担当者を変えようと何も変わりませんので、税理士を変える必要がありますね。
税理士や担当者の態度が良くない
税理士や担当者の態度・対応が良くないことにしびれを切らして、税理士を変える方もいます。
例えば税理士の態度が横柄、質問しても返事が遅い・あいまいな返事しか来ないといったことです。
税理士の態度が横柄というのは、特に長年お付き合いのある税理士だとよくある話のようですね。
親の代からお願いしている税理士だったり、創業時から見てくれている税理士だったり……
昔は対応が良かったのにだんだん悪くなってきたというケースは、一度そうなってしまうと改善は見込めないかと思います。
質問しても返事が遅かったり曖昧な返事しかない場合は、それが税理士なのか担当者なのか見極めましょう。
担当者の仕事が遅い・雑なだけなら、担当を変えてもらえば改善する可能性もあります。
人が変わっても同じような態度の場合、事務所全体がそんな雰囲気の可能性が高いです。
解約を申し出にくい理由ナンバーワンだと思いますので、後述する申し出方を参考にしてみてください。
報酬に納得できない
税理士報酬に納得できないというのも、よくある税理士変更理由です。
顧問料の根拠を聞いてもきちんとした説明をしてくれない、報酬の引き上げを持ち掛けられたが理由に納得できなかったなどがあります。
こちらが支払うお金のことなのに、しっかりした対応をしてくれない税理士を信用するのは難しいですよね。
長年の付き合いなのを良いことに曖昧な報酬設定をする税理士も実際いますので、信用できなくなったら変えてしまっても良いと思います。
ただし、報酬を下げることをいちばんの目的に税理士を変えようとすると、かえって仕事の質が下がったり良くない税理士に当たってしまう可能性もあります。
税理士への不信感ではなく報酬を下げることが目的であれば、まず今の税理士に報酬を下げてもらう交渉をすることをおすすめします。
税理士に解約を申し出るときはどう言うべき?
今までお世話になった税理士に解約を申し出るのは、かなり勇気が要りますよね。
相手に不満をぶちまけるという手もあるでしょうが、その後新しい税理士への引き継ぎもあることを考えるとできるだけ穏便に伝えたいと思うのが普通です。
言いやすい理由としては、以下のようなことがあります。
- 先行きが不透明で今後報酬を支払い続けるのが厳しくなってきた
- 自分たちでできることは頑張ってみたい
- 知人が税理士として独立したのでそちらにお願いすることにした
「あくまでも自分たちに理由があって解約をお願いしたい」という方向で行くと話しやすいと思います。
これまでお世話になったお礼と合わせて伝えれば、失礼にはあたりません。
税理士は、お客様が思うよりも解約されることに慣れています。
事前に相談があればだいたいの理由は察しがつきますし、解約されるたびに腹を立てていたらどんどんお客様が減ってしまうと、まともな税理士ならわかっています。
案外あっさりこれまでの資料や会計データを渡してくれると思いますよ。
税理士を変えるタイミングは慎重に
税理士を変えることを決めたら、切り替えるタイミングは十分気をつけましょう。
まず切り替えるタイミングを検討し、その6ヶ月前から遅くとも3ヶ月前くらいには新しい税理士に相談にいく必要があります。
急に「来月からお願いしたい」と言われても、新しい税理士側は難しいことが多いと思います……
切り替えるタイミングとして新しい税理士に受けてもらいやすいのは、下記の2つです。
- 決算申告が終わったあと(決算月の3ヶ月後)
- 6月~11月
期の途中で税理士を変えるとなると、前の税理士にも説明したことを再度新しい税理士に説明しなければなりません。
会計ソフトが変わる場合は、仕訳データの移行作業も必要になります。
決算申告が終わったあと、新しい期の分から新しい税理士にお願いできれば、こういった2度手間をかけずに済みます。
逆に言えば、税理士の切り替えを断られやすいタイミングは以下の2つです。
- 決算直前(決算月前3ヶ月以内)
- 12月~5月 ※年末調整や確定申告で繁忙期のため
もう1つ追加するとすれば、税務調査の日程がすでに決まっていて「税務調査対応からお願いしたい」と依頼すると、ほぼ断られると思います。
自分の目が通っていない申告の調査対応をしたい税理士はいませんので、諦めて調査後の切り替えを検討しましょう。
まとめ:税理士を変えるのは悪いことじゃないので、理由とタイミングをしっかり考えよう
税理士を変えることが自社のためになるのであれば、それは全然悪いことではありません。
自社に必要なことを精査し、やっぱり今の税理士では対応してもらえてないと思う場合は、やはり税理士変更を検討しましょう。
税理士を変えようと決めた方へ
税理士を変えたいと思ったら、かならず複数の税理士に見積もりを依頼し実際に話してみて選ぶようにしましょう。
同業者や事業主仲間にどこにお願いしているか聞いてみたり、無料で税理士を紹介してくれるサービスをうまく利用するのがおすすめです。
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