CMで「保険の相談ならFP」ってよく見るけど、FPって保険屋さんなの?
FPは保険の勧誘をしてくるから相談しない方がいいって聞いたんだけど……
最近はテレビなどのCMでもよく聞くようになった「FP」という単語。
しかし、高い確率で「保険」という単語もセットになって聞いていると思います。
その影響か「FPは保険屋さん」「FPは保険の勧誘をする人」と誤解している人も多くいる印象です。
そこで本記事では、保険の営業と誤解されがちなFPの本当の仕事について解説します。
- 保険紹介だけじゃないFPの本当の仕事
- FPが保険勧誘と誤解されがちな理由
- FPに相談できる保険以外の内容
FPが何なのかよくわからない人はもちろん、FPにマイナスのイメージを持っている人は特に、ぜひ読んでみてください。
あなたが悩んでいるお金のことを、実はFPが解決してくれるかもしれませんよ!
FPは保険だけでなく“暮らしのお金全般”の専門家
FPとは正式にはファイナンシャル・プランナーといい、ファイナンシャル・プランニングの専門家です。
人生の夢や目標をかなえるために総合的な資金計画を立て、経済的な側面から実現に導く方法を「ファイナンシャル・プランニング」といいます。
ファイナンシャル・プランニングには、家計にかかわる金融、税制、不動産、住宅ローン、保険、教育資金、年金制度など幅広い知識が必要になります。
ファイナンシャル・プランナーとは|日本FP協会
つまりFPとは、人の生活に関わる幅広いお金の知識を身につけ、生きる上での資金計画や経済的側面からの実現案を作ることができる人ということ。
誤解されがちですが、FPは保険の知識だけでなく人の暮らしに関わるお金全般の知識を身につけている人なんです。
FPが保険勧誘と思われがちな理由
次に、なぜFPが保険の勧誘だと思われがちなのかを解説します。
多くのFPは「保険商品の紹介」が収入源だから
FPが保険の勧誘だと思われがちな理由は、多くの場合FPの収入源が保険商品の紹介にあるためです。
「FPに無料相談できる」とうたっているサービスが多くありますが、これらは本当に無料で相談できます。
相談者から相談料をもらわない代わりに、紹介した保険に相談者が入ってくれれば、FPに保険会社から紹介手数料が入りこれがFPの収入になるのです。
よってFPの無料相談では、1度は保険(もしくは金融商品)を紹介されると思って間違いないでしょう。
ただし今はどのFP無料相談も無理な保険紹介を禁止されていますので、1度お断りすれば勧めてこないと思いますよ。
FPはあくまでも中立な立場で保険商品を比較して紹介する
ただし、FPは保険の勧誘をする人ではありません。
保険の勧誘ができるのは、試験に合格した保険募集人という資格を持つ人のみです。
本来のFPの仕事は、どこかの保険会社の商品に偏らず中立な立場でいくつかの保険商品を比較し、相談者に最適な保険を紹介することです。
そのためには相談者の家族構成やライフプランをしっかり把握しなければならないので、本当はそこまでのヒアリング力がFPの腕の見せ所なのですが……
最終的に「いくつも保険を紹介される」ことに目が行きがちで、ライフプランなどを相談した印象が薄れてしまうんですよね。
保険会社の営業さんが自社商品を勧めてくるのは当然だけど、いろんな会社のいろんな保険を紹介してくるFPの方により「売ってくる」感を覚えるのは仕方ないかも……
逆に、1つの保険会社の商品しか勧めてこないFPは怪しいです!
その保険会社からの手数料が高いなどの理由で、それを売ることしか考えていない可能性があります。
FPによって得意な分野がある
FPが受ける相談は「お金のこと全般」と幅広いため、おのずと得意分野が出てきます。
保険の紹介をしているFPは、保険の相談が得意なFPということです。
それでは、FPの得意分野として他にどんなものがあるのか、そのFPの出自も含めて具体的にご紹介します。
保険の相談が得意なFP
まずは保険の相談が得意なFP。主に保険会社で営業をしていた人が多いですね。
保険会社勤めで自社商品を売るために(簡単に言えば箔をつけるために)、FPを取ったという人も少なくありません。
こういう人はやはり保険商品には強く、勤めていた会社の商品以外に他社の類似商品もよく知っています。
保険の見直しをメインに相談したい人は、保険の相談が得意なFPを選ぶと良いでしょう。
ライフプランニング・生活費の見直しが得意なFP
ライフプランニングや家計・生活費の見直し分野が得意なFPも存在します。
将来設計を漠然としか考えられていない人や、近々の生活費を見直したい人はこの分野が得意なFPに相談するのがおすすめです。
この分野で相談したい場合、自分と年齢層が近いFPを選ぶのが良いと思います。
あまりにも世代が離れているFPだと感覚が違うこともありますので、ご注意くださいね。
不動産・住宅ローンが得意なFP
不動産・住宅ローン分野が得意なFPもいます。
不動産会社勤めだった人や、金融機関で住宅ローン関係の部署にいた人がこれにあたりますね。
主にマイホームの購入を考え始めたときに相談したいのは、このタイプのFPだと思います。
住宅ローンの返済はライフプランニングにも関わりますし、将来的に家を売るのか相続するのかで税制にも関わってきますので、その2方面にも強い人だとより安心して相談できます。
年金・貯蓄関係が得意なFP
年金や貯蓄関係が得意なFPもいますね。
具体的な年金額も含めて相談したい場合は、社会保険労務士資格を合わせて持っているFPであれば安心して相談できます。
そこまでではないけれど老後の貯蓄が気になる……という場合も、この分野が得意なFPに相談するのが良いでしょう。
長期的な貯蓄を考える場合は、私的年金制度であるiDecoや国が推奨するNISAも避けては通れませんので、資産運用・投資分野にも強いFPだとなお安心です。
税務関係が得意なFP
税務関係が得意なFPは、税理士資格を持っていたり税理士事務所勤め経験があったりします。
実は、FPの相談業務で「税金のことだけ」を相談されることはあまりありません。
税金のことだけ相談するなら、FPではなく税理士のところに行きますよね?
しかし、住宅ローン・教育資金・年金・相続など、他のどの分野でも税金の問題はかならず関わってきます。
どの分野の相談をするにしても、税務関係に強いFPを選んでおけばあとから多額の税金を払うことになった!なんて心配もなくなるので安心ですね。
資産運用・投資関係が得意なFP
資産運用・投資関係が得意なFPもいて、アメリカではFPといえばこういうイメージが強いそうです。
日本では、金融機関などで投資商品を扱っていた人がFPを取ったパターンに多い得意分野ですね。
株取引、投資信託などももちろんですが、不動産投資に強い人は不動産分野にも強い可能性があります。
日本では投資のことをFPに相談するイメージはまだまだ薄いように思いますが、NISAやiDeCoが浸透してきた今、珍しいことではなくなっていくかもしれません。
相談したい内容が得意なFPに相談すべし
FPが決して保険に特化した人なのではなく、暮らしのお金全般の相談に乗ってくれる人だとおわかりいただけたでしょうか?
FPには身近なお金の相談から人生設計に関わるお金の相談まで、幅広い視点で相談できます。
ただし、相談したい内容と合ったFPに相談することが大事です!
得意分野が合っていないFPに相談してしまうと、それこそ「保険を勧められただけだった……」と感じてしまう原因になります。
たとえば、同じFPに無料相談できるサイトでも……
>> ライフプランニングをしっかり考えたい人は
>> 年金・老後資金が気になる人は
>> 節約から資産運用まで相談してお金のシミュレーションがしたい人は
>> たくさんあるお金の心配を全部まとめて相談したい人はマネプロ
こんな感じで、得意分野の異なるサイトがたくさんあります。
大事なお金のことを相談するからには、きちんと話を聞いてくれるFPに相談したいですよね。
もし今はお金の悩みが漠然としていても、ここまで紹介したFPの得意分野を参考に、自分が相談したい主な内容が何なのか1度考えてみましょう。
そのうえで自分の相談したい内容に合ったFPに相談することが、自分のお金に関する悩み解決の第一歩です!
まとめ
FPは保険の人だと勘違いされがちですが、それはFPの仕事のほんの一部。
生活に関わるお金のことなら何でも相談に乗ってくれて、アドバイスをくれたり一緒に計画を立ててくれるのがFPなんです。
マイナスなイメージが先行していた人も、この記事を読んで「FPに相談してみたい」と思ったらぜひ相談してみてください。
お金のことを誰かにじっくり相談する機会はめったにないので、きっと有益な情報を得られると思いますよ!
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